バギオ・Pines IELTS:留学前に知っておきたいIELTSの目標設定と準備

Pines IELTSキャンパスのヘッドティーチャーJunai先生とGrit留学の2人

留学するときに期待を持つのは自然なことです。
特に、自分の学習に多くの時間、努力、そして費用をかけている場合はなおさらです。

そこでこの記事では、IELTSを学ぶ学生が持ちやすい一般的な期待をいくつか紹介し、初めてIELTSを学ぶ方や、フィリピンのIELTSコースへの入学を準備している方が、ご自身の留学に備えるうえで役立つかもしれない情報をお伝えします。

最近、私たちがPines IELTS Specialized Campus(パインス・アイエルツ・スペシャライズド・キャンパス)を訪問した際、私はヘッドティーチャーのJunai先生と、ベテランIELTS講師のAprilyn先生にインタビューする機会がありました。

IELTS対策、スコア向上、そして学生自身の主体的な取り組みに関するお二人の話は、学習を始める前に現実的な期待を持つうえで役立つかもしれません。

また、IELTSクラスを見学し、一部の授業には実際に生徒として参加する機会もありました。
この記事では、その様子もあわせて紹介します。

この記事のポイント

▶ 現実的なIELTSの目標や期待を持つことは、モチベーションを保ち、不必要な失望を避ける助けになります。

▶ 目標とするIELTSスコアを達成するためには、継続的な努力と、自分自身で学習に責任を持つ姿勢が欠かせません。

▶ IELTSの試験形式に慣れておくことは、特に初めて受験する人にとって、実力を発揮するうえで良い影響を与える可能性があります。

▶ 留学前に文法、語彙、リスニング、スピーキングなどの基礎力を伸ばしておくことで、IELTS学習をより有意義なものにできます。

▶ 自分のスピーキングを録音する、意識して英語を聞く、音読するといった実践的な練習は、IELTS学習を始める前に自信を持ち、準備を整える助けになります。

ヘッドティーチャー Junai先生へのインタビュー

インタビューで話すPines IELTSキャンパスのヘッドティーチャーJunai先生
インタビューで話すPines IELTSキャンパスのヘッドティーチャーJunai先生

Pines IELTSキャンパスのヘッドティーチャーであるJunai先生は、IELTS試験対策に取り組む学生が持ちやすい期待について、よくある2つの懸念点を共有してくれました。

もしあなたが以下のような期待を持っている場合は、一度立ち止まって考えてみる価値があるかもしれません。

現実的な期待を持つことは、不必要な失望を避け、IELTS学習に向けてよりよい準備をする助けになります。

IELTS対策に取り組む学生に見られる、よくある非現実的な期待

1. 短期間でのスコアアップ

Junai先生によると、一部の学生は、わずか4~8週間の学習でIELTSのスコアを2~3バンド上げたいと考えることがあるそうです。

2. 自分自身で学習に責任を持たないまま目標達成を望むこと

Junai先生はまた、IELTSスコアの向上には、学生自身が学習に責任を持つ姿勢が大きく関わると強調していました。

時には、友人との交流や外出に気を取られたり、当初の目標を見失ったりする学生もおり、それが全体的な学習の進み具合に影響することがあります。

「率直に言うと、一部の学生は途中で目標からそれてしまうため、目標スコアを取得できません。残念ながら、ここにいる間に、毎週末一緒に出かけたり旅行したりする友人を優先し、自分の目標を見失ってしまう学生も中にはいます」とJunai先生は説明していました。

なぜ一部の学生は、短期間でバンドスコアを上げられると期待するのでしょうか?

IELTSスコアアップに対する期待と現実を、現実的な目標設定や継続的な努力の大切さとともに示した図

IELTSスコアの向上に関する学生の期待には、いくつかの要因が影響していると考えられます。

私が考える要因の1つは、成功事例が目に入りやすいことです。
教育や語学学習の分野では、比較的短期間で大きくスコアを伸ばした学生を取り上げた広告、体験談、SNSの投稿を目にすることがあります。

こうした成功事例自体は事実であっても、そのすべてが一般的なケースとは限りません。
もともとの英語力が目標スコアに近く、IELTSの試験形式や解答方法に慣れることで、短期間でスコアに反映される場合もあります。

もう1つの要因は、他の学生との比較です。
学生は、自分の学習の進み具合や英語力を、クラスメイトや友人、あるいはオンラインで見かけた人と比較してしまうことがあります。
しかし、学習者によって出発点となる英語力は異なり、得意分野、苦手分野、学習習慣、学習環境もそれぞれ違います。

また、個人的な事情が期待に影響することもあります。
大学出願、ビザの条件、キャリアプラン、予算の制約、その他の個人的な目標などにより、一定の期間内に目標とするIELTSスコアを取得しなければならない学生もいます。
こうした期限があることで、短期間で結果を出さなければならないというプレッシャーにつながることがあります。

外部からの影響であっても、個人的な事情によるものであっても、学生は時に、目標スコアに到達するまでに必要な時間や努力を十分に考慮しないまま、期待を抱いてしまうことがあります。

一部の学生が短期間でスコアを伸ばせたなら、自分にも可能なのではないでしょうか?

はい、可能です。
実際に、比較的短期間でIELTSスコアを大きく伸ばす学生もいます。

ただし、すべての学生の状況は異なり、あなた自身の状況も同じではないことを覚えておく必要があります。

現在の英語力、得意分野や苦手分野、学習習慣、学習環境、サポートの有無、そしてIELTSの試験形式にどれだけ慣れているかといった要素が、スコアの伸びる速さに影響する可能性があります。

特に、IELTS対策を始める時点の英語レベルによっても、スコアが上がるスピードは異なります。
一般的に、初級~中級レベルでは、基礎力の向上や試験形式への慣れが比較的スコアに反映されやすい一方で、中上級レベルになるほど、同じ0.5バンドを上げるにも、より高い精度や安定した英語運用力が求められます。

同じような結果を望むのは自然なことですが、講師が同じ結果、または似た結果を保証することはできません。

短期間で2~3バンドのスコアアップが難しい場合、より現実的な目標は何でしょうか?

学生によって伸びるペースは異なりますが、IELTS試験対策コースを受講して継続的に学習し、効果的な学習計画に沿って取り組む場合、4週間で約0.5バンドのスコアアップを目指すことは、現実的な目標の1つと考えられます。

一方で、IELTSの公式サイトでは、学校や大学でIELTS対策講座や英語コースを受講する場合、平均して0.5バンド程度向上するのに3か月を要するという2つの研究結果を参考に、準備期間を決めることができると紹介されています。
そして、必要なレベルに到達するまでの速さには多くの要因が影響するため、必要な学習期間を簡単に示すことはできないとも説明されています。

もちろん、より早くスコアを伸ばす学生もいれば、現在の英語レベルやIELTS試験への慣れ具合によって、さらに時間が必要な学生もいます。

IELTSは難易度の高い試験であるため、短期間で劇的なスコアアップを期待するよりも、段階的な向上を目指す方が現実的な場合が多いです。

大きなスコアアップだけに意識を向けるよりも、小さくても着実な成長を目指し、現在の英語レベルや学習期間に合った目標を設定する方が、多くの場合、効果的です。

とはいえ、現実的な目標や期待を持つだけでは十分ではありません。
ヘッドティーチャーのJunai先生が先ほど強調していたように、IELTS対策を進めるうえでは、自分自身で学習に責任を持つ姿勢、努力、そして継続性も、上達に大きく関わります。

IELTS公式サイト「How long will it take to get the IELTS band score I need?」

Aprilyn先生へのインタビュー

Pines IELTSキャンパスでのインタビューに応じるIELTS講師Aprilyn先生
Pines IELTSキャンパスでのインタビューに応じるIELTS講師Aprilyn先生

今回、私はPines IELTSキャンパスのベテラン講師の一人であり、IELTS公式スコア8.0を取得しているAprilyn先生にも話を伺う機会がありました。

初級者が留学前に取り組んでおきたい基礎学習

Aprilyn先生は、IELTSコースに入学する前に、基本的な文法を強化し、日常的に使う語彙を増やし、リスニングを定期的に練習することをすすめています。

また、発音の改善やスピーキングへの自信につなげるために、音読することもすすめています。

さらに、Aprilyn先生は、英語をただ聞き流すのではなく、内容を意識して聞き取るアクティブリスニングの重要性も強調していました。
一部の学生は、IELTS試験官や講師からの指示を理解するのに苦労することがあるそうです。

IELTSリスニングのヒント:さまざまな英語のアクセントを聞く

IELTSリスニングテストでは、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドのアクセントを含む、さまざまな英語のアクセントが使われることがあります。

そのため、これらのアクセントが使われているポッドキャストや、無料のIELTSリスニング練習教材などを活用し、異なる発音や話し方のパターンに慣れておくことをおすすめします。

IELTSスピーキングのヒント:自分のスピーキングを録音する

Aprilyn先生によると、IELTSスピーキングを向上させる効果的な方法の1つは、自分のスピーキングを録音することです。

「録音は非常に重要です。
学生は自分の声を聞くことで、自分の誤りに気づきやすくなり、間違いを確認することができます。
そして、この方法は私の学生のほとんどに効果的であることが証明されています」
とAprilyn先生はおっしゃっていました。

ご自身のスピーキングを聞くことは、最初は恥ずかしく感じられるかもしれませんが、ぜひ試してみてください。

IELTSの授業見学と参加

お二人の先生へのインタビューに加えて、Pines IELTSキャンパスで授業がどのように行われているのかをよりよく理解するために、私たちは1つのIELTSクラスを見学し、2つのクラスに参加させていただきました。

Silver先生のIELTSリスニングクラス

IELTSリスニングのオプションクラスで教えるSilver先生と受講生たち
IELTSリスニングのオプションクラスで教えるSilver先生と受講生たち

私たちはSilver先生のクラスを見学する機会がありました。
先生は最初かなり厳しそうに見えましたが、授業は想像以上に楽しいものでした。

真剣な指導スタイルの中にも自然なユーモアがあり、学生が授業に引き込まれながら、楽しく学べる内容になっていました。

特に良いと感じたのは、IELTSリスニングにおける自分の強みと弱みを、学生自身が評価するように促していた点です。
このアプローチにより、学生は自分が改善すべき分野をより自覚しやすくなります。

IELTSリスニングセクションはどのような構成ですか?

IELTSリスニングは4つのパートに分かれています。
全体で40分、40問で構成されており、各パートに10問ずつあります。

IELTSリスニングの各パートにおける話者数と場面は、以下の表のとおりです。
IELTSリスニングテストの4つのパートごとの話者数と場面をまとめた表

Mimi先生のIELTS文法クラス

オプションクラスの文法授業でホワイトボードの前に立つMimi先生
オプションクラスの文法授業でホワイトボードの前に立つMimi先生

Mimi先生は、とても人気のある先生です。
とてもユーモアがある方ですが、授業に真剣に向き合っており、私たちは彼女のクラスを興味深く、楽しいものだと感じました。

Mimi先生は授業中、学生をランダムに指名し、質問への回答を促します。
いつ自分が指名されるか分からないため、学生はワクワクしながらも少し緊張感を持って授業に参加することになります。
私たちも、いつ指名されるかドキドキしながら授業を受けていました。

この進め方によって、学生が授業に飽きにくくなり、常に集中して参加するように助けていると感じました。

私たちは、4つの動詞時制に焦点を当てた文法クラスに参加させていただきました。

1. 単純過去形(Simple Past Tense)
2. 過去進行形(Past Continuous / Past Progressive Tense)
3. 過去完了形(Past Perfect Tense)
4. 過去完了進行形(Past Perfect Continuous / Past Perfect Progressive Tense)

私たちはMimi先生を素晴らしい先生だと感じました。
なぜなら、学生が授業中に自分で作った例文を共有するようユーモアを交えて促し、学生がより引き込まれる授業にするために、本当に多くの努力をしているからです。

その結果、学生がプレッシャーを感じることなく、自由に英語を練習し、間違えながら、そこから学べる温かい雰囲気が生まれていました。

Mimi先生のIELTS語彙クラス

私たちが次に参加した、Mimi先生によるオプショングループクラスは語彙の授業で、トピックは「Home and Accommodation(住まいと宿泊施設)」でした。

「Home and Accommodation」は、IELTSで扱われることのある身近なトピックの1つで、特にスピーキングで出てくることがあります。
ライティングでも、住まいや生活環境に関連する内容として扱われる場合があります。

そのため、自分の家や滞在先、好みについて説明するために必要な語彙を身につけておくことは、自分の考えを明確かつ効果的に表現するために不可欠です。

授業はというと、文法クラスと同じく楽しい授業でした。

一般的な語彙クラスのように、講師が単語と意味をホワイトボードに書き出して説明するだけの授業ではありません。
Mimi先生が軸となる単語を書き、そこから関連する語彙を学生に質問しながら広げていく進め方でした。

単語を書き出しながら、意味やどのような場面で使うのかも説明してくれました。
ブレインストーミングのように語彙を広げていく授業で、とても興味深かったです。

この教え方であれば、単語をただ暗記するよりも記憶に残りやすいと感じました。
また、参加型の授業だったため、飽きることなく集中して学ぶことができました。

授業で扱った語彙のサンプルリスト

Mimi先生のIELTS語彙クラスで扱った住まいに関する名詞・形容詞・句動詞のサンプルリスト

実際の授業では、さらに多くの語彙が扱われました。
同義語を挙げていくと、授業中に話し合った単語の数は簡単に50語を超えました。
学生がすでに知っている語彙も含め、1回の授業で50語以上に触れたり、学んだりする機会があったということです。

Mimi先生のおかげで、私たちも新しい語彙に触れ、それらをメモすることができました。

オプションクラスは受講した方がよいですか?

私たちが今回見学または参加させていただいた3つのクラスはすべて、オプショングループクラスです。

追加の練習が必要な場合や、特定のスキルを伸ばしたい場合、オプションクラスは有益である可能性があります。
特に、文法や語彙、リスニング、スピーキングなどのIELTS関連スキルを強化したい場合に役立ちます。

なお、オプショングループクラスの受講は別途費用がかかります。

Pines IELTSキャンパスに関するよくある質問

Pines IELTSキャンパスは、どのような方に向いていますか?

道路に面したPines IELTS Specialized Campusの校舎外観

PINES IELTS Specialized Campusは、IELTS試験対策に取り組み、目標とするバンドスコアの達成を目指す方のためのキャンパスです。

IELTSを試してみたいだけで、目標スコアや受験予定がない場合でも入学できますか?

はい、入学できます。
ただし、各コースはIELTS試験を中心に設計されているため、授業や学習教材はIELTSの試験形式に沿って進められます。

初級者でも入学できますか?

はい、入学できます。
Pines IELTSキャンパスには、入学時レベルの目安がIELTS 1.0以上のPre-IELTSコースが用意されています。

学校で公式IELTSテストを受けることはできますか?

2026年6月25日時点では、Pines IELTSキャンパス内で公式IELTSテストを受けることはできません。
ただし、同じバギオ市にあるグループ校、Pines Main Speaking CampusにはBritish Council認定のテストセンターがあり、そちらで受験できます。

なお、PINES International Academyでは、2026年10月4日にIELTSキャンパスとメインキャンパスの統合が予定されています。
統合後は、IELTSキャンパスの学生がメインキャンパスへ移動するため、同じキャンパス内で公式IELTSテストを受験できる予定です。

キャンパス統合の詳細は、「バギオPINES|IELTSキャンパスとメインキャンパスを2026年10月に統合」をご確認ください。

どのようなコースが提供されていますか?

以下の3つのIELTS試験対策コースが提供されています。

▶ Pre-IELTS:IELTSスコアが1.0以上の初級者向け
▶ Regular IELTS:IELTSスコアが4.0以上の初級上位者向け
▶ IELTS Guarantee(スコア 5.5 / 6.0 / 6.5 / 7.0):IELTSスコアが4.0以上の初級上位者向け
8週間または12週間のプログラムで、保証スコアは入学時のレベルで決定されます。

各IELTSコースに入学条件はありますか?

はい、あります。
各コースには、以下の受講レベル要件が設定されています。

▶ Pre-IELTS:現地での入学試験でIELTSスコア 1.0以上に達する必要があります。
▶ Regular IELTS:現地での入学試験でIELTSスコア 4.0以上に達する必要があります。
▶ IELTS Guarantee(スコア 5.5 / 6.0 / 6.5 / 7.0):入学日前1年以内に取得した公式スコアの提出、または事前オンライン面接に合格し、現地での入学試験で規定スコア以上に達する必要があります。

・保証スコア5.5 → 入学時スコア4.0~5.0
・保証スコア6.0 → 入学時スコア5.0~5.5
・保証スコア6.5 → 入学時スコア6.0
・保証スコア7.0 → 入学時スコア6.5

まとめ

現実的な目標や期待を持つことは、IELTS試験対策において重要な要素です。

フィリピンでIELTSコースを受講する前に、まずは自分の現在の英語力を確認し、IELTSの試験形式に慣れておきましょう。
あわせて、目標スコアを達成するために、どのくらいの学習時間が必要になりそうかを考えておくことも大切です。

Junai先生とAprilyn先生との会話を通じて、重要なポイントが明確になりました。

IELTS試験で成果を出すためには、現実的な期待を持つこと、継続して努力すること、そして留学前にしっかり準備しておくことが必要だということです。

IELTSの準備、コース選び、学習計画についてご不明な点がありましたら、LINEまたはメールでお気軽にお問い合わせください。

フィリピンでのIELTS学習を始める前の準備を、私たちがサポートいたします。


Pines IELTSキャンパスのコースや学校情報については、以下の学校紹介ページで詳しくご確認いただけます。


バギオ パインス アイエルツスペシャライズドキャンパスの正面外観

▶ バギオ・Pines IELTSキャンパスの学校情報はこちら

参考資料

Elder, C., & O’Loughlin, K. (2003). Investigating the relationship between intensive English language study and band score gain on IELTS.

Kang, O., Ahn, H., Yaw, K., & Chung, S.-Y. (2021). Investigation of relationships between learner background, linguistic progression, and score gain on IELTS.

この記事を書いた人

石川 ジェニー

フィリピンの教員免許を持っている元英語講師。
フィリピン・バギオの語学学校で、留学生を対象にESL、IELTS、TOEICを指導していました。
大学で学んだ英語教育の知識、語学学校訪問や講師へのインタビューをもとに、英語学習やフィリピン留学に関する情報を発信しています。
また、バギオでの生活体験を活かし、現地文化やフィリピンでの滞在をより充実させるためのスポットについても紹介しています。