セブで煙霧(ヘイズ)が発生|インドネシアの森林火災で大気質が悪化

煙霧によって白く霞んだ市街地で、マスクを着用している女性のイメージ(出典:Philippine Information Agency)
煙霧による大気質悪化のイメージ(出典:Philippine Information Agency)

2026年9月、フィリピンのセブでは煙霧(ヘイズ)が確認され、大気質が悪化しています。

原因はセブで発生している火災ではありません。
インドネシアで発生している森林火災などに伴う煙や微小な粒子がフィリピンまで運ばれる、越境煙霧(transboundary haze/国境を越えて広がる煙霧)の影響とされています。

大気質は時間帯や場所によって変化するため、この記事では2026年9月21日時点で確認できる情報を基に、セブの状況と現地に滞在する留学生が知っておきたい注意点を紹介します。

セブの煙霧はインドネシアの森林火災などが原因

フィリピン環境天然資源省(DENR:Department of Environment and Natural Resources)傘下の環境管理局(EMB:Environmental Management Bureau)は、セブを含むフィリピン各地で確認されている煙霧について、インドネシアで発生している火災からの煙や粒子との関連を示しています。

フィリピン政府は、インドネシアのカリマンタンやスマトラで発生している森林・泥炭地火災によって大気質が悪化していると説明しています。
煙などは南西モンスーン(Habagat/ハバガット)を含む風の影響によってフィリピン方面へ運ばれているとされています。

インドネシアの気象気候地球物理庁(BMKG)も、9月7~16日の衛星観測でカリマンタン中部や西部を中心に多数のホットスポットを確認しており、森林・土地火災と煙霧が続いていることを報告しています。

9月20日にメトロ・セブでAQI 296を記録

AQI(Air Quality Index/大気質指数)は、大気汚染の程度と健康への影響の目安を数値で示す指標です。
数値が高いほど大気質が悪いことを示します。

フィリピンの環境管理局によるPM2.5(微小粒子状物質)の区分では、AQI 201~300が「Acutely Unhealthy(健康への影響が強く懸念される区分)」、AQI 301~500が「Emergency(緊急)」とされています。

現地メディアSunStar Cebuが環境管理局第7地域事務所(EMB-7)の観測結果として報じたところによると、メトロ・セブ(Metro Cebu)の観測地点では9月20日午前1時にAQI 296を記録しました。
今回の煙霧の影響が始まって以降、同地点で確認された最も高い値とされています。

その後は数値が下がり、9月21日付のThe Freemanによると、9月20日午後4時にはAQI 248となっていました。
ただし、依然として「Acutely Unhealthy(健康への影響が強く懸念される区分)」の区分です。

大気質は一定ではなく、風向きや時間帯、観測地点によって変化します。
そのため、「現在のセブのAQIは○○」と一つの数値だけで判断するのではなく、観測日時と場所を合わせて確認する必要があります。
実際にEMB-7も、風向きや風の強さによって大気質が変化するとしています。

9月21日はセブの複数自治体で対面授業を停止

大気質の悪化を受け、9月21日はセブ市(Cebu City)、マンダウエ市(Mandaue City)、ラプラプ市(Lapu-Lapu City)、タリサイ市(Talisay City)、カルカル市(Carcar City)、ナガ市(Naga City)、トレド市(Toledo City)、ミングラニラ(Minglanilla)など、複数の自治体で対面授業の停止が発表されています。

対象となる学校や対応方法は自治体によって異なります。
例えばタリサイ市では公立学校が対象となり、私立学校などについては各校の判断とされています。

なお、これらはフィリピンの一般の学校などを対象とした措置です。
セブにある語学学校全般が休校しているという意味ではありません。

今回確認した情報では、セブの語学学校全般を対象とした休校措置は確認されていません。
各語学学校の授業やアクティビティについては、学校ごとの案内を確認する必要があります。

保健省が呼びかけている健康上の注意

フィリピン保健省Central Visayas(DOH-7:Department of Health Central Visayas)は、煙霧によって大気質が悪化している際の対策を案内しています。

特に子ども、高齢者、妊婦、心臓や呼吸器系の基礎疾患がある人には、より注意するよう呼びかけています。
煙霧への曝露によって、咳や呼吸のしづらさ、目の涙や喉の刺激などが生じる場合があるとしています。

留学生についても、現地の大気質が悪い場合は、保健省が案内している次の対策を参考にしてください。

▶ 不要な屋外への外出を減らし、長時間または激しい屋外活動を避けます。
▶ 外出が必要な場合は、N95マスクなどを使用します。
▶ 心臓や呼吸器系の疾患がある人などは、可能な限り屋内で過ごします。
▶ 公的機関が発信する大気質や健康情報を確認します。

DOH-7は9月3日時点では、煙霧に直接関連すると確認された呼吸器疾患の報告は受けていないとしていました。
一方で、医療機関には呼吸器症状を訴える患者が増えた場合に備えるよう案内しています。

セブ留学や観光ができない状況なのか

今回確認した公的資料では、煙霧を理由としてセブへの渡航や観光そのものを一律に中止するよう求める発表は確認できませんでした。

一方で、9月20日にはMetro Cebuで「Acutely Unhealthy(健康への影響が強く懸念される区分)」にあたる大気質が記録され、翌21日には複数の自治体が対面授業を停止しています。

そのため、「煙霧が発生しているが通常どおりなので問題ない」とも、「セブで生活や観光ができない」とも一括りにはできません。

特に屋外で長時間過ごす予定がある場合や、学校の屋外アクティビティに参加する場合は、その日の大気質や学校からの案内を確認したうえで判断してください。

最新の大気質を確認してください

今回の煙霧では、大気質が一度改善した後に再び悪化する動きも確認されています。
数日前の数値が現在の状態を示しているとは限りません。

現地に滞在している方は、環境管理局Region VII(EMB-7)や自治体などが発信する最新の大気質情報と、滞在している語学学校からの案内を確認してください。

まとめ

今回の煙霧については、セブで森林火災が発生しているわけではないという点と、現地で実際に大気質が悪化しているという点を分けて考える必要があります。

AQI(大気質指数)が296まで上昇し、複数の自治体が対面授業を停止している以上、軽く考えてよい状況ではありません。
一方で、今回確認した公的情報や報道では、セブへの渡航や観光の中止、語学学校全般の休校を求める発表は確認されていません。

必要以上に不安になるのではなく、その日の大気質を確認し、公的機関の注意事項に従いながら屋外での行動を調整するのが現実的だと考えています。

※この記事は2026年9月21日時点で確認できた情報を基に作成しています。
煙霧や大気質の状況は変化する可能性があります。


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DENR-EMBが2026年9月2日11時に公表したメトロ・セブの大気質情報。PM2.5のAQIは208、濃度は57.6µg/m³で、Acutely Unhealthyと判定されている
2026年9月2日11時のメトロ・セブのPM2.5大気質指数(AQI 208、Acutely Unhealthy)(出典:DENR-EMB)

参照した公的機関・資料

Philippine Information Agency|DENR-EMB 7 advises Metro Cebu residents to limit outdoor exposure amid transboundary haze

Philippine Information Agency|DENR-EMB 7 logs unhealthy air quality over Metro Cebu; Cebu City halts in-person classes

Philippine Information Agency|DOH-7 urges C. Visayas residents to limit outdoor exposure as haze worsens air quality

Philippine Information Agency|C. Visayas health facilities prepare for possible respiratory illness surge amid haze

Environmental Management Bureau|PM2.5の大気質指数(AQI)の区分

Presidential Communications Office|PBBM orders learning continuity measures amid rains, haze

インドネシア気象気候地球物理庁(BMKG)|2026年9月18~24日の気象・森林火災関連情報

その他の参照情報

SunStar Cebu|Metro Cebu haze worsens as AQI continues to rise

The Freeman|Classes suspended


ブログ著者 石川真太郎の似顔絵(Grit留学代表)
 著者:石川 真太郎