フィリピン留学に必要なビザと取得方法【2025年最新版】

フィリピン留学を考えている方の多くが気になるのが「ビザ」のこと。
「短期でも必要なの?」「手続きは難しい?」と不安に感じる人も多いと思います。

結論から言うと、フィリピン留学は最初の30日間はビザなしで滞在可能です。

ただし、語学学校で学ぶ場合は、期間にかかわらず「SSP(特別就学許可証)」に加えて「ACR I-Card(SSP申請と同時申請/E-Cardとも呼ばれる)」の取得が必要です。

また、留学期間が30日を超える場合は、「滞在延長手続き(観光ビザ延長)」が必要になります。

この記事では、フィリピン留学で必要なビザの種類や取得方法、注意点を、初めての方にもわかりやすく解説します。

フィリピン留学で必要なビザの基本

フィリピンの語学学校への留学では、主に以下の4種類のビザや許可証等が関係してきます。

・観光ビザ(Tourist Visa)またはビザ免除入国
・特別就学許可証(SSP:Special Study Permit)
・外国人登録証(ACR I-Card 次の2種類)
 ① SSP申請と同時申請する SSP ACR I-Card(E-Cardとも呼ばれる)
 ② 59日を超えて滞在する際に申請する TVV ACR I-Card

どの手続きが必要かは、留学の期間によって異なります。

まずは観光ビザ(ビザ免除入国)からスタート

30日以内の滞在はビザなしでOK

日本国籍を持つ人は、観光目的であれば最初の30日間はビザなしで入国可能です。
語学留学も観光ビザ(9A)の範囲で認められているため、原則、事前にビザを申請する必要はありません。

ただし、入国時には次の条件を満たしている必要があります。

・有効なパスポート(滞在日数+6か月以上の残存期間があること)
 ※日本国籍は例外的に6か月未満でも入国可能とされていますが、搭乗拒否や入国拒否を受ける事例もあります。
 安全のため「滞在日数+6か月以上」の有効期間を確保することを推奨します。

・帰国便または第三国への出国航空券(出国を証明できるチケット)

これらの書類をチェックイン時に提示できない場合、航空会社で搭乗を拒否されることがあります。
また、入国時に条件を満たしていない場合、フィリピン入国管理局で入国を拒否される可能性もあります。

31日以上滞在する場合は延長手続きが必要

30日を超えて滞在する場合は、滞在延長(Extension)の手続きを行う必要があります。
この手続きにより、観光ビザを延長して留学を継続できます。

延長の流れは次のとおりです。

初回:29日間延長(合計59日間の滞在が可能)
2回目以降:1ヶ月~2ヶ月ごとに更新
最長:3年間まで延長可能

多くの語学学校が延長申請を代行してくれるため、自分で入国管理局に行く必要はありません。

初回の申請手数料は、5,000ペソ前後(13,000円前後)が目安です。
なお、費用は地域や学校によって多少異なります。

留学には必須!特別就学許可証(SSP)とは?

SSPとはどんな許可証?

SSP(Special Study Permit)は、外国人がフィリピンで正式に勉強するために必要な許可証です。
観光ビザとは別の書類で、留学生は必ず取得しなければなりません。

これは、入国管理局(Bureau of Immigration)に登録された認可校(Accredited School)のみが、学生に代わって申請できるものです。

SSPの申請・取得方法

多くの場合、学校が代行してくれるので、学生が自分で申請に行く必要はありません。
入学時にパスポートを提出し、学校がまとめて申請してくれます。

申請先:入国管理局(Bureau of Immigration)
手続き期間:通常1〜2週間
費用の目安:7,800ペソ(約21,000円)
有効期限:1つの学校での履修期間。最長6ヶ月間
※語学学校を変更する場合や、6ヶ月を超えて履修する場合は再申請が必要です。

SSPを持たずに留学するとどうなる?

SSPを持たずに授業を受けることは違法行為になります。
最悪の場合、学校が罰金を科せられたり、留学生が強制退去処分になったりすることもあります。
そのため、留学される語学学校が、入国管理局に登録された認可校かどうかを必ず確認しましょう。

ACR I-Card(外国人登録証)について

ACR I-Cardとは?

ACR I-Card(Alien Certificate of Registration)は、外国人がフィリピンで滞在・就学する際に義務付けられた登録証で、次の2種類があります。

① SSP ACR I-Card(E-Card):語学学校の学生がSSP申請と同時に登録する必要がある。
② TVV ACR I-Card:59日を超えてフィリピンに滞在する場合に登録する必要がある。

つまり、語学学校で学習し、フィリピンに59日を超えて滞在する留学生は、SSP ACR I-CardとTVV ACR I-Cardの2つに登録する必要があります。

いずれのカードも、外国人登録証として滞在や就学に関する身分を証明する役割を持ちます。

取得方法と費用

ACR I-Cardの申請は、通常、在籍する語学学校が学生に代わって入国管理局へ申請します。

費用の目安は、SSP ACR I-Card(E-Card)、TVV ACR I-Cardともに約4,500ペソ(約12,000円)ですが、学校によって多少異なる場合があります。
いずれも発行までにおおむね2〜3週間ほどかかります。

語学留学以外で必要となるビザ

学生ビザ(Student Visa/9(F))

大学や専門学校など、6ヶ月以上の正規課程で学ぶ場合に必要なビザです。
語学学校の留学には不要なビザで、SSP(特別就学許可証)を取得すれば語学学校での就学が認められます。

就労ビザ(Work Visa/9(G))

フィリピンで雇用される外国人のためのビザで、雇用主のスポンサーと労働省(DOLE)の許可が必要です。
語学留学の延長目的では取得できません。

特別居住退職者ビザ(SRRV)

フィリピン退職庁(PRA)が発給する、退職者向けの長期居住ビザです。
留学目的の代替ではありませんが、長期滞在希望者が検討するケースもあります。

ビザ取得に必要な書類一覧

フィリピン留学に伴うビザ申請や各種許可証の取得に必要な書類は以下の通りです。

ビザ延長やSSP・ACR I-Cardなどの手続きは、学校がまとめて代行してくれるのが一般的です。
学生が入国管理局へ行く必要は基本的にありませんが、申請の種類や内容によっては、署名や本人確認のために同行を求められる場合もあります。

手続き 主な必要書類
SSP(特別就学許可証) パスポート、学校の入学許可証、写真(2×2インチ)、申請書
SSP ACR I-CARD(E-CARD) SSP申請に含まれるため、個別の追加提出は不要
観光ビザ延長 パスポート、申請書、TVV ACR I-Card(所持者のみ)
TVV ACR I-Card(59日超滞在) パスポート、観光ビザ延長記録、写真(2×2インチ)、申請書

多くの学校では、在学期間を通して学生のパスポートを学校が保管します。
旅行や外出などでパスポートが必要な場合は、事前に学校へ申し出て一時返却を受けましょう。

フィリピンビザ手続きの流れ(留学開始後)

【入国時】30日間のビザ免除で入国(日本国籍)
【入学時】SSP申請/SSP ACR I-Card(E-Card)を同時申請
【滞在30日超】観光ビザ延長申請(初回で合計59日まで滞在可)
【滞在59日超】TVV ACR I-Card申請
【以降】1~2ヶ月ごとに観光ビザ延長(最長3年)

多くの語学学校では、これらの手続きをまとめてサポートしてくれるので安心です。
なお、申請の種類や内容によっては、本人の同行を求められることもあります。

ビザ延長や申請の費用まとめ

項目 費用の目安(ペソ) 日本円換算(約)
SSP申請 約7,800 約21,000円
SSP ACR I-Card(E-Card) 約4,500 約12,000円
ビザ延長(初回) 約5,000 約13,500円
ビザ延長(2回目) 約6,500 約17,500円
TVV ACR I-Card(59日超滞在) 約4,500 約12,000円
ビザ延長(3回目以降) 約4,500 約12,000円

申請費用は地域や学校によって多少異なります。

ビザ関連費用は、現地でまとめて語学学校へ支払うのが一般的です。
支払いは入学後にフィリピンペソで行われます。

ビザに関するよくある質問(FAQ)

Q1. SSPは学校を変えたら再申請が必要?

はい。SSPは学校ごとに発行されるため、転校した場合は新しい学校で再申請が必要です。

Q2. ビザ延長を忘れたらどうなる?

期限を過ぎると罰金が科せられます。延長は学校が代行してくれることが多いので、スケジュールを確認しておきましょう。

Q3. 出国して再入国すればリセットされる?

一度出国して再入国すれば、30日間のビザ免除が再度適用されます。
ただし、頻繁な出入国は入国審査で質問される場合もあります。

まとめ:ビザ手続きは難しくない!学校に任せて安心

フィリピン留学で必要なビザ手続きは、基本的に学校が代行してくれるため、留学生自身で煩雑な手続きを行うことはほとんどありません。

覚えておきたいポイントは次の4つです。

・30日以内はビザ不要で入国可能
・留学にはSSP(特別就学許可証)とSSP ACR I-Card(E-Card)の申請が必須
・滞在が30日を超える場合は観光ビザ延長を申請(初回は合計59日まで)
・滞在が59日を超える場合はTVV ACR I-Cardを申請

基本的な流れを把握しておけば、留学前の準備も安心です。
学校を選ぶ際は、ビザ申請の代行サポートや費用の明細を事前に確認しておくと良いでしょう。