
フィリピンのバギオにあるAPI BECIの3キャンパスと、セブ・マクタン島にあるB’Cebuで、
新しい学習システム「B’ AI Coaching」が導入されます。
このシステムは、AI英会話を追加するだけのものではありません。
実際のマンツーマン授業で生徒が話した英語をAIが分析し、その結果を生徒の復習と講師の次回授業に反映します。
私は、AIの機能そのものよりも、授業を受けっぱなしにせず、次の学習へつなげる仕組みに注目しました。
学校から届いた資料をもとに、具体的な流れとレポート内容を紹介します。
B’ AI Coachingの導入時期
導入時期は学校によって異なります。
▶ B’Cebu:2026年10月渡航の新入生から導入
▶ API BECI:2026年11月渡航の新入生から導入
すでに申し込みを済ませている方も、上記の時期以降に渡航する場合は利用できます。
B’ AI Coaching紹介動画
学校が作成した動画では、B’ AI Coachingの概要と、B’Cebuで学生が利用する流れをステップごとに紹介しています。
B’ AI Coachingの仕組み

B’ AI Coachingでは、対象となるマンツーマン授業の開始前にQRコードを読み取り、システムへチェックインします。
授業中の会話は録音・文字起こしされ、AIが講師と生徒の音声を区別したうえで、生徒が話した英語を分析します。
主な分析内容は次のとおりです。
・文法
・語彙
・自然な英語表現
・流暢さ
・発音
・繰り返し発生している間違い
・学習状況の変化
分析結果は、生徒向けのレポートと、講師向けの指導資料に分けて提供されます。
B’ AI Coachingでは、次の流れで授業と復習をつなげます。
▶ 授業を受ける
▶ AIが発話内容を分析する
▶ 生徒がレポートを使って復習する
▶ 講師が分析結果を次回の授業に活用する
▶ 次の授業で改善点を実践する
この流れを繰り返し、授業、復習、次回の実践をつなげていく仕組みです。
生徒向けのDaily B’ AI Coaching Report
授業後、生徒は「Discord」で自分専用のコーチングレポート「Daily B’ AI Coaching Report」を受け取ります。
Discordは、チャットやファイル共有などに使われるコミュニケーションアプリです。
学校資料では、レポートは生徒が選択した言語で表示され、約30分で復習できる内容として説明されています。
レポートの主な内容は次のとおりです。
・授業で良かった点と総合フィードバック
・CEFRの推定レベルとスコア
・正確性、流暢さ、語彙力、会話への参加度、発音の評価
・実際に話した英文の添削
・より自然な英語表現
・授業で使用した重要語彙
・実際の会話で使えるフレーズ
・繰り返し発生している間違い
・優先的に改善するポイント
・次回の授業までに取り組む学習ミッション
単に間違いを並べるのではなく、最初に良かった点を示し、改善すべき内容は学習効果の高い項目に絞る方針です。
このレポートで特に良いと感じたのは、改善点の優先順位が示されることです。
指摘が多すぎて何から手を付ければよいか分からなくなるのを避け、取り組むべき内容を把握しやすくなっています。

Power Sentence(実践フレーズ)とTop Vocabulary(重要語彙)
Power Sentenceでは、その日の授業内容から、実際の会話でそのまま使える英文と使用場面が紹介されます。
授業で確認できた内容だけを使用し、授業で扱っていない文章を新たに追加するものではありません。音声を使ったシャドーイングにも対応しています。

Top Vocabularyでは、授業中に使用した単語から復習に適した語彙を選び、次の内容を確認できます。
・単語の意味
・CEFRレベル
・例文
・よく使われる関連表現
・言い換え表現

Correction Chain(英文添削)とNext Mission(次の学習課題)
Correction Chainでは、生徒が実際に話した英文と修正後の英文を並べ、どこを改善すればよいのかを確認できます。
Next Missionでは、その日の授業で見つかった課題をもとに、次回までに取り組む具体的な練習内容が示されます。
「間違いを確認して終わり」ではなく、次に何を練習するのかまで示されるため、復習に取り組みやすい構成です。

Grammar Check(文法チェック)とPronunciation Evaluation(発音評価)
マンツーマン授業では、会話の流れを止めないため、講師が細かな文法上の間違いをその場ですべて訂正しない場合があります。
Grammar Checkでは、文字起こしされた発話から文法上の間違いを確認し、次の内容を表示します。
・生徒が実際に話した英文
・文法上の間違い
・文法の説明
・修正後の英文
・音声を使った練習

Pronunciation Evaluationでは、発音の明瞭さを分析し、発音スコアや誤って発音した単語、音素、イントネーション、練習方法などを確認できます。
講師の発音をまねるだけではなく、自分がどの音を苦手としているのかをデータで確認できる点が特徴です。

講師にも次回授業の指導ポイントを共有
生徒向けのレポートとは別に、講師には「B’ AI Coaching Brief」が提供されます。
主な内容は次のとおりです。
・最近の学習成果
・繰り返し発生している間違い
・次回の授業で重点的に扱う内容
・学習への影響が大きい改善点
・3〜5分で実施できる授業アクティビティ
・授業で使用できる質問例
・練習回数の目安
・理解度の確認方法
講師はこの内容をもとに、生徒が優先して改善すべき部分を次回の授業で扱います。
生徒だけがAIのレポートを読むのではなく、講師にも分析結果が共有されることが、一般的なAI英会話との大きな違いです。
日次・週次・月次・卒業時のレポート
毎日の分析結果は、生徒ごとの学習履歴として蓄積されます。
Daily Reportだけでなく、週次、月次、卒業時にも、それまでの学習状況を確認できるレポートが提供されます。
・総合スコアと平均点
・以前の結果との比較
・学習状況の変化
・改善した点
・繰り返している課題
・次に重点的に取り組む内容
・入学時と卒業時の推定CEFRレベルの比較
・卒業後の学習方針
毎日の小さな変化だけでなく、留学期間全体でどのように英語力が変化したのかを確認できる構成です。

レッスン外でも利用できるAI学習機能
学校資料では、授業以外の時間に利用できるAI学習機能も紹介されています。
・AI英会話
・スピーキング練習
・発音評価とフィードバック
・文法練習
・単語学習とフラッシュカード
・シャドーイング
・ライティング添削
・模擬テスト
授業で見つかった課題を授業後に練習し、次のマンツーマン授業で再確認することを想定しています。
AIが講師に代わるのではなく、授業を補うシステム
私は、B’ AI Coachingの価値は、AIが多くの学習機能を備えていることだけではないと考えています。
マンツーマン授業で話した内容をすべて自分で記録し、間違いを整理し、次の授業まで継続して復習することは簡単ではありません。
実際に話した英語がレポートとして残り、講師も同じ課題を把握した状態で次の授業を行えるのであれば、マンツーマン授業を受けっぱなしにしないための仕組みとして意味があります。
一方で、導入前の新しいシステムであり、実際の分析精度や生徒がどの程度継続して活用できるかは、運用開始後の状況を確認していく必要があります。
AIに英語学習を任せるのではなく、講師によるマンツーマン授業を補い、復習と次回の実践をつなぐシステムとして、とても有益なものになるのではないかと思っています。
本記事に掲載されている画像は、学校が作成したPPT資料の抜粋です。
学校から提供されたPDFはこちらからご覧いただけます。
▶ B’ AI CoachingのPPT資料(PDF)



